先日、あるお客様の納骨を無事に終え、お墓を建てた事への感謝の言葉を頂戴しました。

そのお客様は以前地元にある霊園の合葬施設を申し込むことでご相談に見えました。故人は生前「俺が亡くなったらあの合葬施設に入れてくれ」と言っていたそうです。またその家族には娘さんが2人いますが、長男がいないので跡継ぎがいないから。だからその故人の奥様は、家から近いし合葬でいいと思ったけどどうでしょうかということでした。

しかし私は本当に個人が生前に合葬施設に魅力を感じてイイと言っていたとは思えませんでした。なぜならその故人はお墓の仕事に携わっていた方だったのです。もしかするとお墓の費用の事や承継の事などを心配して、家族に負担をかけまいと思いあのようにおっしゃったのではないかと感じました。

また長男でなく嫁いだ娘さんであってもお墓を承継することは出来る事を話しました。故人の言っていた言葉そのままを受けずに、子どもたちの将来の事も考えてもう一度家族全員で話し合う事を提案しました。さらに家族にとって手を合わせる場所(お墓)があることが家族にとっても将来の子ども達にとっても非常に大切だという事をお話しさせていただきました。

じいちゃんだけお参りしたい

その後、家族で話あった際に故人のお孫さんに当たる中学生が「じいちゃんだけお参りしたい。合葬じゃ知らない人までお参りするみたいだから絶対にイヤだ。お墓をつくって自分がお墓を守っていく」と真剣に訴えたそうです。

結果家族は合葬施設ではなく墓石を建てる事を決ました。その年の募集に一般墓所で申し込みをしたところ、なんと抽選で1回で当たり、3回忌に間に合うように建墓を進めることができました。
孫の想いに打たれ、よろこんだ故人が天国から見えない力を与えてくれたのかもしれません。

このところ、承継者がいなくても永久的に供養を行う永代供養墓や墓石の代わりに樹木を墓標とした樹木葬を選ばれるお客様によくよくお話を聞いてみると本当は墓石を建ててお参りがしたいと思っているのだけど仕方なく・・・という声を聞きます。

お墓の承継者が心配だから永代供養墓でいい。とか息子に費用の負担をかけたくないから樹木葬(墓)に入れてくれという事のようです。私は永代供養墓や樹木葬を否定するつもりは全くありませんが、非常に残念に思います。
承継については、長男に限った事ではありませんので、柔軟に考えると承継者が見つかるかもしれません。

また将来お墓を継いだ時、たとえば年間数千円の管理費が負担となるのかというと本当にそうなのかと思う時があります。何か別の選択があるのではないかと思っています。